関西大学化学生命工学部の河原秀久教授は、10年以上にわたる研究で独自の開発に成功した「不凍タンパク質」「不凍多糖」「過冷却促進物質」を活用した技術『氷結晶制御技術』を用いて、従来の冷凍食品を中心とした利用に加え、生鮮野菜・果実の長時間輸送(海外輸出など)を可能にする保存技術、屋根・道路・飛行機の翼などの着氷・着雪・着霜防止コーティング剤といった化成品、再生医療における組織や臓器の保存液といった多分野での革新的な実用化を推進していきます。

株式会社KUREi(カレイ)は、過冷却促進物質製造・販売会社として、2016年11月1日に起業した新会社です。

本会社は、過冷却促進物質全般を扱い、エキスとしての農業資材(生鮮食材・果実の未凍結保存)、畜産および水産業界の受精卵保存液の素材および保存液、不凍多糖と混合することによるコーティング剤・不凍剤の素材、再生医療分野などの細胞保存液、未凍結保存で長期間保存可能な臓器保存液およびその素材を開発・販売することを事業とします。

氷結晶制御物質とは

低温環境下とは生物にとって 20°C以下のことです。年間を通してこの温度域に晒される地域は、現地球上の80%以上となっています。
このような環境を生き抜いてきた生物たちは、この環境に耐性を持ったり、この環境を逃れたり、この環境を妨げるような多様な戦略を発揮しています。その低温 環境下において、0°C以下の凍結した環境下でも生き抜く戦略を持っている生物も多く存在します。この戦略の一つに氷結晶制御物質を生産する能力を持った生物が多数発見され、研究されています。 氷結晶制御物質は、多様な物質の総称であり、氷核が形成し、その微小な氷が成長・巨大化し、凍結した後に昇華するような現象を、ステップ毎に制御することができる生物が生産する物質のことです。

過冷却促進物質とは

食品加工廃棄物よりヨウ化銀を核として アッセイ系を用いて、抗氷核活性物質の検索を行いました。
その結果、複数の食品加工廃棄物の熱水抽出物に活性を確認しています。そのうち、実際に粒あんとして食されている「こし餡粕エキス」および食品加工廃棄物で廃棄量が多い「コーヒー粕エキス」の成分の研究を進めています。

このうち、餡粕エキスの主成分はペプチド系の化合物であり、現在同定を進めています(特許第5322602号)。また、コーヒー粕エキスの主成分はポリフェノールなどであり、既に特許も出願しています(特開2015-38170)。さらに、日本酒のアルコールを除いた後の日本酒エキスの中にも同様の活性を持つ成分があることも発見しています(特許第5608435号)。さらに現在、新たな過冷却促進物質を複数の食品や食品加工廃棄物からも見出しており、その物質の同定及び機能についても検討中です。

「氷結結晶化制御技術」で解決できる課題

事業概要

  • エキスとしての農業資材(生鮮食材・果実の未凍結保存)
  • 畜産および水産業界の受精卵保存液の素材および保存液
  • 不凍多糖と混合することによるコーティング剤・不凍剤の素材
  • 再生医療分野などの細胞保存液
  • 未凍結保存で長期間保存可能な臓器保存液および素材開発・販売

会社概要

商号 株式会社KUREi カレイ (KUREi Co,, Ltd.)
設立 2016年11月1日
資本金 10,000,000円(2018年1月現在)
役員 代表取締役社長:CEO 川本 久敏
取締役:CTO 河原 秀久( 天然素材工学研究室
取締役:CFO 谷 正之
監査役:長井 泰国
所在地 〒564-8680 大阪府吹田市山手町3丁目3番35号
関西大学イノベーション創生センター内 212号室
連絡先 06-6318-7567

氷結晶制御技術の技術ブランディング

不凍タンパク質・不凍多糖および過冷却促進物質を含む氷結晶制御物質は、インフラに関わる技術、再生医療に関わる技術、生鮮食材などの保存に関わる技術に革新をもたらし、応用が期待されています。
本研究室の氷結晶制御技術に関する技術ブランディングとして、“iConTech”(アイコンテック)のマーク(商標登録申請中)をデザインしました。
デザイン:小さい水滴から氷結晶になる様子をデザインし、氷結晶の形を不凍タンパク質・多糖などで制御している様子を表しています。